営業の基礎を学んだオフィスワーク

子供の頃は内気な少女で、学生時代も積極的なタイプではありませんでした。それが就職してから、性格や発言が変わってきたのです。大学を卒業と同時に入社し、働き始めたのは、大手企業でのオフィスワークでした。総合職での応募でしたが、実際は営業事務での仕事が待っていました。モクモクとひとりでこなす事務作業は得意ですが、明るさや元気さ、メンタルの強さも必要な営業は、はじめこそ抵抗がありました。しかし営業事務というのは、自分次第でできるものなのだと実感しています。当時のマネージャーは女性でしたが、トップセールスレディーでもあり、内気な私の性格を見抜いていました。彼女が私にトレーニングを始めたのは、入社してすぐのことです。営業事務での新人は、研修期間も終えて先輩について、次々業務をこなし始めました。私は別室で、発声のトレーニングからスタートしたのです。
担当してくれたのは、トップセールスの女性マネージャーでした。とにかく大きな声を出せるようになること、メンタルがへこんでいても、ビジネスの場面では大きな声で笑っていることなど、徹底的に叩き込まれました。パソコンの業務は、ほかの新人と比べて遅いスタートとなりましたが、大きな声と明るい笑い声は、自然と身につくようになっていたのです。まもなくして女性マネージャーは、他社へのヘッドハンティングにより退社されました。根気よくトレーニングしてくださったおかげで、声の大きさだけではなく、内気な性格も明るく積極的に変わったのには自分でも驚きます。営業事務として、今ではさらなる上を目指しています。
しかし、形になって目に見えにくいのもオフィスワークの特徴のひとつです。美容師だったら美容師の仕事、教師だったら教師の仕事は一目瞭然ですが、オフィスワークの場合スキルが第三者からはよくわかりません。よってオフィスワークを経歴にしていきたいのであれば、事務系スキルの資格をとるようにします。年齢を重ねれば資格ではなく経験だとは言いますが、履歴書に堂々と書けるのはこの資格です。その人にどんなことができるのかを示す確たる証拠となるのです。自分には実力があるから大丈夫と思わずに、きちんと資格も定期的に取得してアピールする道具にしておきましょう。